ただ、逢いたい
その不安は、勇人くんに逢ってからも変わらなかった。
だって、目の前にいる勇人くんは、昨日までの笑顔はどこにもなかった。
笑い合っていた日々が嘘のように、無表情であたしの前に立っていた。
その姿を見たら、話しかけることが出来なかった。
まだ何も言われていないのに、泣きそうになった。
もしかしたら、心のどこかで、何を言われるのか気付いていたのかもしれない。
「ごめん」
勇人くんは急に、目も合わせないまま、たった一言だけ呟いた。
何に対して謝っているのか、あたしには分からない。