ただ、逢いたい



知った上で奪ったのか。


あたしを傷つけたかったのか。


友達と思っていたのは、あたしだけだったのだろうか。



何が真実か、分からなかった。


ただ1つ分かるのは、
現在勇人くんと由梨が付き合っているということだけ。



その現実を目の前で見せつけられたあたしは、受け入れるしかない。



でも、見たくなかった。


知らないままで良かった。



あたしは、エスカレーター近くの椅子に座り込んだまま、立ち上がることが出来なかった。


いつの間にか、目からは涙が零れていた。



こんなことを今知るぐらいなら、
“好きな人がいるから付き合えない”
と、はっきり言って欲しかった。




< 50 / 338 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop