ただ、逢いたい

「でも、オレの気持ちは嘘じゃない。
今でも風華が好きだ」




真剣な眼差しで言われて、不覚にもドキッとしてしまった。




「だけど、オレは１度振られているし、風華はまだ勇人を忘れていない。
だから、無理強いはしない。
嫌われるのだけは、やだから」




言うだけ言って、てっちゃんは帰って行った。


てっちゃんの話しに集中していたら、いつの間にか勇人くんたちもいなくなっていた。



てっちゃんは、出来た人間だと思う。


好きなら、時には無理強いも必要だと思った。


でも、それはしないと言った。


確かに、無理強いは嫌われる可能性もあるけど。



どうしてあたしは、こんなにいい人を傷つけてしまうのだろう。