ただ、逢いたい



だけど、今分かった。


あたしに逢いたくない理由は、他にあったんだ。


由梨と付き合ったから、別れた女とは逢いたくなかったんだ。




気持ちが不安定なまま、メールの回数も減った。


そんな時だった。




《由梨と付き合っている》




そう勇人くんからメールが来た。


別れて半年が経っていた。



たった一言、それだけのメールだった。


けど、あたしをどん底へ突き落とすには十分すぎる言葉。


こんなメールに、返事なんて出来る訳がない。



メールを開いたまま、ずっと書いてある文字を見つめていた。


嘘、偽りのない言葉を。



そんな時、彩菜から電話がかかってきた。




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