ただ、逢いたい
あたしは、自分の体を抱きしめるように手を組んだ。
やっぱり、弱い。
いつも強がってばかりで、
友達に心配かけて、
あたしは誰の力にもなれなくて。
いつまでも、欲しい物をねだる子供みたいだ。
あたしは“あの時”、あれ以上他の子との惚気を聞きたくなかった。
あたしだけの彼だったはずなのに、いつの間にか他人の彼になっていた。
心も体も……。
それを、なかなか受け止められなかった。
現実なのに、なぜか夢のように感じていた。
それだけ、信じられなかったんだ。