ただ、逢いたい

ボーッと見つめたままだったから、電話に反応が遅れた。


だから、電話に出た時に心配された。



イヤ、分かっていたんだ、彩菜は。


あたしが今、勇人くんからどういうメールが来ていたのか。



というのも、彩菜の我慢が限界に来て、勇人くんを問い詰めたらしい。


そして、あたしにちゃんと言えと怒ったらしい。


それが、今になっての付き合っているというメールに繋がるらしい。



だけど、おかしい。


ちゃんと言えと言われたわりには、言葉が足りない。




「でも彩菜、詳しいことは何も言われていないけど」



『はぁ？
ちゃんと言えって言ったのに』




あたしが素直に言うと、彩菜は呆れと怒りが溢れていた。


電話口でも、ぶつくさ言っている。