ただ、逢いたい
その当時は、あまり気にも止めていなかった。
だけど、こういう理由があるなら、そう言われても仕方がないのかもしれない。
「友達がただミスを注意しただけなのに、“うるさいなぁ”と返されたり、
2人きりで怒ったこともあるみたいなんだけど、頬に平手打ちされるし。
散々だったみたい。
だけど、友達も上司に報告が出来なくて、悩んでいたみたい」
呆れるように言っていたけど、最後の言葉が気になった。
「何で、報告が出来なかったんですか?
暴力されたんだから、報告が当たり前だと思うんですが」
あたしが不思議に思い聞くと、沙希さんはため息を吐きながら言った。