ただ、逢いたい



「そうなんだけどね。
豊島さん、どこかの社長令嬢らしいんだ、
それで、その社長とうちの社長が仲良くて、そんな人をクビには出来ないって」



「由梨が、どこかの社長令嬢!?」




それには、本当に驚いた。


以前は仲良かったけど、そんなこと初めて聞いた。


誰もそんな話し、していない。




「ねぇ……やっぱり、友達じゃないの?」




あたしが思わず“由梨”と呼び捨てにしたからだろう。


沙希さんが、不審な目で見る。




「あ、高校の時のクラスメイトなんです。
以前は、友達でしたけど……」



「今は、違うのね」




どう言っていいか分からず黙っていると、沙希さんが続けた。




< 88 / 338 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop