ただ、逢いたい
『ほら、沙希さんだっけ?
言っていたじゃん。
今でこそ効力があるって。
だから、誰も知らなかった真実が、社会人になって知れ渡ることだってあるよ』
「やっぱり、そうなのかな」
彩菜の言葉に、ついため息が出てしまう。
『あくまで噂なのか、真実なのかは調べてみないと分からない。
ただ、それに勇人が関わっていることはないと思う。
そんな話し、聞いたことないし。
それに、勇人の両親は社長でも何でもないし』
「彩菜が知らないんだったら、違うよね」
それには、安心した。
いとこである彩菜が、知らないはずがないから。
それと、勇人くんには脅されてまで付き合う理由がないことに。