保健委員の中原くん
昼休みのせいか、ガヤガヤとした廊下を歩く。
やっとのことでたどり着いた保健室。
あたしはガラガラと保健室の扉を開けた。
「せんせーい、ちょっと熱はからせてくださーい」
そう言いながらあたしは保健室の中へと足を踏み入れた。
すると、窓辺に身を寄せている人影。
ここからはカーテンが邪魔で見えないけれど、確かに誰かいる。
先生、いるんなら返事してよ。
そう思っているとその人影が動いた。
カーテンの中にいたのは、
「あぁ、憂木さん。どうかした?」
カーテンに身を隠していたのは、確か隣のクラスの中原くん。
窓から吹く風に髪を靡かせて、こちらを振り向いた。
「あ、……中原くん。」
「どこか具合でも悪いの?」
そう言って心配そうにあたしを見つめる中原くん。
う、うわ、最近の女子はこういうのに確か弱いんだっけ……