誘惑の夜
「飲みっぷりのいい菜々子さんも、仕事の時の強気なあなたを見ているようで好きですけど」
――仕事?思わず眼を見開いて捧さんを見つめる。確かに、頭の片隅に彼の残像がある。
「やっぱり、僕の名前を覚えていたというのは出任せですね。先週も私の会社でお見掛けしましたよ。うちの手強い部長から一本取ってましたね。恐らく、契約も間近ですよ」
そう言って眼鏡を外した彼の瞳に、私を狙う雄の欲望の光が差し込む。カウンターの下で重ねられた節榑立った手。捧さんの親指が私の小指を擽ぐる。
「……でも僕は、ぐだぐだに甘やかされているあなたも見てみたい」
耳元に頬を寄せた彼が囁く。
‘ぐだぐだに’なんて、あの綺麗に整った唇が象ったのだと考えたら、下腹部がきゅんと音を鳴らした。
――仕事?思わず眼を見開いて捧さんを見つめる。確かに、頭の片隅に彼の残像がある。
「やっぱり、僕の名前を覚えていたというのは出任せですね。先週も私の会社でお見掛けしましたよ。うちの手強い部長から一本取ってましたね。恐らく、契約も間近ですよ」
そう言って眼鏡を外した彼の瞳に、私を狙う雄の欲望の光が差し込む。カウンターの下で重ねられた節榑立った手。捧さんの親指が私の小指を擽ぐる。
「……でも僕は、ぐだぐだに甘やかされているあなたも見てみたい」
耳元に頬を寄せた彼が囁く。
‘ぐだぐだに’なんて、あの綺麗に整った唇が象ったのだと考えたら、下腹部がきゅんと音を鳴らした。