体育館の天井に挟まっているバレーボール
「だから、なんでそうなるんだよ……。」
「はぁ。」
訳が分からなくて曖昧な返事する。
先輩は疲れたようにはぁー、とため息をついて私にもたれかかってきた。
顔の横に先輩のフワフワの髪の毛が当たってくすぐったい。
というか、重たいです、先輩。
そう文句を言おうとしたら、先輩がようやく言葉を発した。
「気づきたく、なかった。」
絞り出すような、とても小さな声だった。
私の背中に手を回し、緩く抱きしめてくる。
先輩の行動も、言葉も、理解不能、頭がこんがらがっているのに、心臓はバクバクとうるさい。
「ど、ういう、意味ですか。」
抱きしめられているから先輩の顔は見えない。
どんな顔をしているのだろう。