邪魔 ◇TABOO◇
キスを仕掛けて男は思う。
早く君を壊したい。
一週間も
ずっとひとりのままだから
寂しくてたまらない。
早く抱きたい
君の遺体を
早く抱きたい。
舌を絡めながら
遠慮なく彼の手が彼女の胸元に滑り込む。
「あ…ん…」
作ったような声も気に入った。
彼女の左胸に指を入れ
敏感な先端を摘み弄ぶ
「いや……ぁ」
吐息が混ざり
男の手が女の左胸を包むと
「邪魔ね」
冷たい声で彼女は
部屋の主に目をやった。
「邪魔だね」
そうだね
邪魔だね
君の心臓の音。
【完】