キュンキュンBOYとツンツンGIRL
キュンキュンBOYとツンツンGIRL
小鳥がチュンチュンと飛んでいそうなくらい清々しい朝の日。
通い慣れた通学路をとぼとぼ歩く私の後ろから走ってこちらに向かって来る足音が聞こえた。
「しーのーー!」
低血圧な私は朝がとてつもなく弱い…
そんな私を知っているくせに朝から大声で私の名前を呼び抱きついてくる奴。
そんなの一人しかいない。
ガハッ
「詩乃ー♪♪好きぃー!!!あ、おはよう!」
普通の女の子ならここでかわいい反応をするのだろう。
けど私はそんな反応の仕方なんて知らない。
「っち!」
ふてぶてしい舌打ちをしたのはもちろん私で…
「ハル…朝からうざい。離れろっ!バカ!」
朝からハル以上の大声でハルを怒鳴ったのも私。
一軒家ばかりが並ぶこの道を通る人は社会人ばかりでまだ良かったと思う…
流石に恥ずかしいからね…
まぁこんなのはいつもの事だからハルはもう慣れたらしく、
「詩乃朝からかわいい!もうかわいすぎるよ〜」
私の暴言を軽く無視して離れずに私をかわいいかわいいと言う。
「…はぁー…」
私も一応女の子だから少しは照れてしまう訳で、軽い照れ隠しの溜め息をこぼす。