愛のカタチ
「おにぃーさん達。リンチはいけないよ〜?」
私は戦場に向かって言う。
どうやら私の嫌いな喧嘩ではなかったようだ。
男4人にたいして、400人くらいの族だか組員だかが群がっている。
「あ?ねぇちゃん綺麗だなあ。俺達と行くか?」
可愛いだと?
何処を見て言ってんだよ。
「なぁに?おにぃーさん達何処かに逝きたいの?」
近寄ってきた男の手を避けていう。
「そうそう。ねぇちゃん、名前何つーの?」
「私?私はね、上城蘭て言うの。」
私の返事を聞くなり、男達の顔は青くなる。
それはもう、真夏の海よりも真っ青に。
「か、上城!?すんませんっしたぁ!!!」
バタバタバタ
ありゃ、逃げちゃった。
私、何もしてないけどな。
女の子の可愛ーい名前聞いて逃げるなんて…
「情けねぇ。世の中落ちたもんだな。」
年寄り臭い考えになっているのは、気にしないでくれ。
1年中組員たちといれば、こうもなる。
半分くらいは中年なのだから。
「あの!ありがとうございます!」
自分の世界に浸っていた所、急に聞こえた声。
「あ。」
そうだ、私この人達を助けに来たんだった。