不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~




あたしが稟の手のひらに飴をのせると、彼はすぐさま手を引っ込めた。




暫く飴を舐めている間に回復したのか、稟はいつもの表情で顔を上げた。





「もう、大丈夫…?」



「………」




少しだけ頷いてくれた気がした。





「よかった…」



「男苦手なくせに、お節介…」



「ご、ごめん。放っておけなくて」



「……。座れば」





稟はそうぼそりと呟くと、左手に持っていた眼鏡ケースから愛用の眼鏡を取り出した。



1人で静かに本を読みたいときには眼鏡をかける、とかオミ先輩が言ってた気がする。






「……ありがと」



なんて考えていたら、ふいに稟が言った。



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