不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
ピッ!
「あ、始まるみたい!」
そこで審判のホイッスルが響き、辺りの女子生徒たちが一斉にサーブの梶先輩へと視線を動かした。
生徒たちが、途端にそわそわ落ち着きなく身体を揺らす。
「棗様のサーブよぉ♪」
「棗せんぱぁいっ!頑張ってくださぁい」
普段は言えない言葉も、応援という絶好の機会を逃さずに、女子たちはバンバン声をかけまくる。
そんな辺りの生徒に興味は示さず、至って平然としたしなやかな動きで、ボールを構えた梶先輩。
「棗ぇ~♪ファイトだよぉーん♪」
光の甲高い掛け声で、ようやく梶先輩はあたしたちの存在に気が付いたみたい。
一瞬だけ視線をこちらへ移してから、また相手コートに目を据える。
ボールが宙にあがった。