不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
今まで受けてきたものとはまるで違った。
流石は元バレー部。だけどこれでも、極力手加減してくれてるんだろう。
「ナイス紗雪ちゃん!」
どうにかペアの総也のもとまでボールを飛ばして、総也は抜群の運動神経で見事なスパイクを打ち込む。
今まではまだ、もう少し綺麗なトスを打ってあげれていたけど…。そろそろ不安定なものしか返せなくなってきた。
1人じゃビーチバレーはできない。だけど総也は、ほぼ1人きりでやってくれていたんだ。
相手のサーブを1回で決めてくれて、あたしがなるべく怪我をしないように気を遣ってくれたりもしていた。
だけど…。
あたしだって、甘えていられない。
「おっと」
総也の絶妙なスパイクさえも、危なげな表情を浮かべつつ、器用に受けていくオミ先輩とそのペア相手。
ナイスチームワークで、的確にボールを打ってくる。
「先制点はもらおうかな」
そして、相手の女の先輩がトスをあげた。
長身のオミ先輩は、それを軽々と追っていく。
「いくよ。……水瀬さん!」
「……っ」
来る…!