不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
それから何度も危うい目にあってきたけど、総也の巧みなスパイクやフォローの甲斐あり、どうにかマッチポイントまでやって来れた。
だけど、相手だって8点だ。あと1点で追いつかれてしまう。
デュースはなしってことだから、追いつかれたら最後だ。
「あらら。このままじゃ負けちゃうなぁ」
「いーじゃん。可愛い後輩のためにもこういう時ぐらい潔く退いてよ、オミ」
「卒業式まであと1年切ったんだぞー。お前たちはこれからまだこういった機会があるかもしれないけど、3年にはもうないからなぁ」
オミ先輩はあと1点で負けてしまうというのに、至って普通。
焦ってる様子なんて微塵もないし、むしろ余裕すら感じられる。
「まっ…。俺らが勝つけどな?」
総也はそう言って、「いくぜ」ボールを掲げた。
総也の運動能力の高さを裏付けるような、キレのいいサーブが、相手コート目がけて、風を切って飛んでいく。