不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~




それから何度も危うい目にあってきたけど、総也の巧みなスパイクやフォローの甲斐あり、どうにかマッチポイントまでやって来れた。



だけど、相手だって8点だ。あと1点で追いつかれてしまう。


デュースはなしってことだから、追いつかれたら最後だ。





「あらら。このままじゃ負けちゃうなぁ」



「いーじゃん。可愛い後輩のためにもこういう時ぐらい潔く退いてよ、オミ」



「卒業式まであと1年切ったんだぞー。お前たちはこれからまだこういった機会があるかもしれないけど、3年にはもうないからなぁ」




オミ先輩はあと1点で負けてしまうというのに、至って普通。


焦ってる様子なんて微塵もないし、むしろ余裕すら感じられる。






「まっ…。俺らが勝つけどな?」




総也はそう言って、「いくぜ」ボールを掲げた。



総也の運動能力の高さを裏付けるような、キレのいいサーブが、相手コート目がけて、風を切って飛んでいく。



< 140 / 302 >

この作品をシェア

pagetop