不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
服を整えると、光は続けた。
「律明はね、実質、梶グループの支配下で経営してる学校だから。梶グループからの援助金のおかげで今存在してられてるの」
梶グループの支配下…?援助金?
律明の学校経営に梶先輩の会社が携わってるってこと?
「律明は私立だけど、お金がない家庭や何か事情があって普通の学校に通えない子どもなんかも皆が高校卒業の資格を得られるように考えて建てられた学校なの」
「うん」
「突然の親のリストラで学校に行けなくなった、とか、暴力沙汰で高校に上がる前に進学が取り消された、とかね。その分、校風は自由だから、見た目は不良みたいな生徒が多く集まりやすいんだけど…。学費がね。私立の割りにめちゃくちゃ安く設定されてるのは、知ってた?」
廃校の出口へと向かいながら、光は丁寧に説明してくれた。
あたし、ただお母さんの知り合いに学校経営関係者がいたからって話しか聞いてないから、全然知らなかったけど…。
そっか。うちだって金銭面は厳しいもんね。
なのにどうして私立なんかに通わせられたのか不思議に思ったこともあったけど…。
「だけどね。問題児が集まりやすいからもちろん問題も多くて。一時は閉校の予定もあったんだよねぇ」