不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
珈琲の香りが部屋一面に広がっている。
梶先輩のイメージが最近どんどん、珈琲化してるなぁ…。
「何か用か」
「あ、はい。オミ先輩からオリエンテーション中の嫌がらせの人たちの話を聞いて…」
「お前をやった連中か」
梶先輩は何かの書類に目を通しながら、あたしの話に耳を傾けてくれていた。
「その3人のことなんですけど、あれだけで退学は重すぎるような気がするんです」
「オミから聞いた。何でそう思う?」
「だって、彼女たちは梶先輩のファンで…。梶先輩を想ってやったんですよ。人を想うのは悪いことじゃないです」
あたしがそう言うと、先輩は手に持っていた書類を机に上に置いて、あたしへ視線を投げた。
「問題点はそこじゃない、紗雪」
「あ…」
いつの間にか、名前で呼ばれていることに気付いた。
不覚にも緊張してしまう自分が情けない。