不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
それはやっぱり、違うと思う。
「あたしなら平気です。そういう守り方はされたくないです」
「あ…?」
「自分で他の生徒に認めてもらえるよう頑張ります。こうやって嫌がらせを受けたのは、あたしが認められていない証拠なわけでしょう」
そんな一丁前の発言をしてるけど、もちろん自信なんてない。
この学校に通ってる大半は、問題児とかそっちの類いだし。
あたしなんて一生かけても認めてもらえないかもしれない。
だけど…。
「あたし、男嫌いです。男の人からは守ってもらうって約束でここに入ってます。生徒全員から守ってもらおうなんて考えてません」
「………」
そんなことをされていたら、あたしはいつまでたっても、先輩方の言う“敵”から逃げ続けることになる。
そんなの、あたしのプライドが許さない。
「あたし、守られてばっかの女でいようなんて思ってません。やるからには校正会の役員としてきっちり頑張りたいと思ってます」
「……そうか」
「男の人だって、確かにまだかなり苦手だけど、こうして役員の人たちとはかなり喋れるようにもなってきた。まだまだ男の人なんて信用できないけど、いつまでも守ってもらえるわけじゃない。迷惑ばかりかけるつもりはありません」
あたしが役員に入って初めて、ここまではっきりとものを言った気がする。
梶先輩は少しだけ驚いていたようだけど、次第にクスリと笑みをこぼして、
「退学には、しない」
そう言って、机にある書類を破り、ゴミ箱へ捨てた。
その書類には、“退学処分等に関する事項”の文字があった。