不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
「意見、箱…?」
総也があたしの伝えたワードを繰り返す。
「なぁに、それぇー」
光はキョトンと首を傾げて、可愛らしくあたしを見ていた。
「律明の実態は光や総也から聞いてよくわかった。律明が今あるのも、梶先輩の会社があってこそっていう話も理解できた。だけど、だからといって全てを梶先輩に任せるのは、何か違うと思う」
「またそういう話?あんたも飽きないね」
稟は呆れたように閉ざしていた本をもう一度開く。
それでも場所を変えないあたり、聞く気すらないわけではないみたいだ。
「今は梶先輩のおかげで生徒たちは比較的落ち着いてるかもしれない。だけどもう今年で梶先輩は卒業する。そうなったら、一体誰がこの学校を背負って、引っ張っていくの?」
「それはまぁ、光たちじゃなぁい?」
「でも梶先輩以外に、他の人が従う義理がある役員なんていないんでしょ?いくら役員がそれぞれに人気があったとしても、それは全校生徒全員からの信頼じゃない。新たに入ってくる1年生なんてもってのほかって思うんじゃないのかな?」
あたしが説明すると、光は考えるように黙り込んだ。
「だから、意見箱の設置をすすめてるの」
「具体的にどういった内容のものなのか、教えてくれる?」
あたしはオミ先輩に向き直って、「わかりました」そう返事した。