不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
役員が頻繁に出入りできて、人が混み合わずにいられる場所……。
「そうだ。この部屋の前の、図書室はどうですか?流石にこの奥に校正会室があるとは誰も思ってないでしょうし。図書室の利用者っていつもほとんどいないみたいだから。時間を設けて、その時間内だけ意見箱を設置する」
「だから、その意見箱の内容を聞いてるんだけど。どこに設置するかは二の次でしょ」
本に視線を落としつつ、突っ込んできたのは稟で。
あ、そうだった。確かに稟に指摘された箇所は正しい。
「えっとですね。“学校の○○を××して欲しい”とか、そういう生徒たちの意見を、設置した意見箱に届けに来てもらうんです。そしたら直接会長や副会長と関われない生徒でも、意見箱を通じて自分の気持ちを伝えることができると思います」
「だけど、そんなものを設置すると、おそらく毎日相当の量の紙が入れられてるぜ」
「それはわかってる。きっと、中には皆への純粋なお手紙とか、ラブレター、なんかも入ってるかもしれない。だけど、校正会は神様じゃない。あくまでこの学校の生徒で、ここに通ってる多くの生徒たちと同じ立場の人間でしょ?厳しく生徒を規律するだけが役目じゃないと思う」
総也の目を見てはっきり言うと、「ん、そうだな」この思いが通じたのか、彼は頷いてくれた。
「俺はいいと思うぜ。さゆの提案する、意見箱っての。何か、今まではあまり知らなかった奴とかの意見とか入っててさ、面白そうだし」
総也…!
自分の気持ちをわかってくれる人がいるって、凄く嬉しいかも。