不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~




「紗雪…!」




暫くすると、教室の入口に息を荒げた光がやって来た。



あたしは反射的に立ち上がって、光から逃げるように教室を走って去って行く。





「待って、紗雪……!!」






今は振り返って光の話を聞いている余裕なんて、どこにもなかった。






あたしはまた、行き場を失って、何となくいつもは施錠されているはずの屋上へ向かった。




運が良いのか悪いのか、今日に限って屋上に鍵はかかっておらず、あたしは編入後初めて、律明高校の屋上へ足を踏み入れた。




空がオレンジ色に染まりゆく中、あたしは誰もいない冷たいコンクリートの地面に座り込んだ。





ギィィ




「………あ」






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