不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
あたしが肯定も否定もせずに顔を伏せていると、稟は面倒臭そうに広げていた本から目をそらす。
「光が男とか女とか、そんなに大きな問題?」
「……え?そ、それは、だって…」
「あんたが今まで関わって来た光は嘘なの?アイツが女の恰好してたことであんたに不利なことでもあった?」
「……ない、けど」
稟は、「何でそこまでして考え込む必要があるのかわかんない」そう言って読書に戻ろうとする。
あたしは誰に言うでもなく、自分に確かめるように呟いた。
「光は……友達で…」
いきなり、親友とか決めつけられて、いつも一緒に行動して……。
でも意外とサバサバしてることもあって、だけどあたしのことはちゃんと助けてくれて…。
「光は…光、なんだよね…」
「アイツが女の恰好してる理由、あんた知らないでしょ」
「理由…?」
またも読書を中断して、本から視線を上げる稟。
なんだかんだ言って気遣ってくれてるところは、稟の不器用な優しさなんだと思う。