不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
「………何か?」
彼は無表情のまま、あたしに問うた。
「あ、いや…」
大嫌いの男の子だけど、この距離があるからか、いつもよりは拒絶反応せずに済んだ。
だけど上手く受け答えができなくて、あたしはようやく視線をそらす。
その瞬間、彼は本をパタリと閉ざして、かけていた眼鏡を手持ちのケースに戻した。
男子生徒が立ち上がる。
眼鏡を外した彼の素顔はどことなく誰かに似ている気がした。
それにしても綺麗な顔をしている。
肌が雪のように白く、薄く整った眉に、二重の鳶色の瞳。
背は170センチあるぐらいだろうか。
何も紡がれないその唇が薄く開く。