不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
あたしは俯いたまま、反応ができなかった。
光もやっぱり気にしてるんだ。
きっと、光なりに今まで黙ってたこと、悪く思っていたのかもしれない。
だからさっき、勇気を振り絞って話してくれたのかもしれない。
誤魔化そうと思えば、光なら巧みに誤魔化せただろうに。
「だからさ。あんまり責めないでやって欲しいんだ。あいつが何したかはー…。まぁその内容を俺は知らないけど。水瀬さんのことは本当に気に入ってたみたいだし、何をしたにしても悪気があってしたことではないと思う」
「はい……」
「できればこれからも今まで通り仲良くしてやってほしい。本当にしつこいようだけど、水瀬さんと一緒にいるときの光は楽しそうに見えるしさ」
オミ先輩はそこまで話すと、自分の腕時計を見つめて「こんな時間だっ」慌てて資料を戻すと荷物を持って謝りながら部屋から出て行った。
そういえばオミ先輩には小さい弟と妹がいるって聞いたことがある。
きっと放課後は2人の面倒を見るのに忙しいのかも。
受験に備えて予備校にも通ってるらしいし。
「あたしも帰るかな…」
あたしはカバンを肩にかけて、校正会室を後にした。