不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
遅刻5分前に、どうにか校門をくぐった。
「俺はいいから。お前は急げ」
「でも…」
光は昇降口の前に停車させて、あたしがかぶっていたヘルメットを強引にはぎ取った。
「俺は今まで何度も遅刻してるから問題ねぇよ」
「……ありがとう」
あたしは光に精一杯お礼を言って校内へ駆け込んだ。
やっぱり光は優しかった。
女の子ではなかったけど、それでも光はあたしを騙してなんていなかった。
あたしはこれまで光の何を見てきたんだろう。
昨日、稟に「光が男とか女とか、そんなに大きな問題?」って言われたけど、確かにその通りだ。
光がたとえ男の子であっても、名前がアキラであっても、そんなことは関係ない。
あたしがこれからも今の光と友達でいることに変わりはないんだから。