不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
シーーン―――
クラス全員が黙り込む。
それはもちろん、光の姿を見たからだろう。
「ひ、ひかりぃいい…!?」
「じゃなくて、あきら……」
「入学式、以来かも…」
「やばっ…。か、かっこいい…」
総也に群がっていた女の子たちの瞳がハート形に揺れて、一斉に光へ注がれる。
「え。何で男装して…。さっき学校来た時は普通にいつもの恰好してただろあいつ」
総也がびっくりした様子で光を立ち上がって見る。
「そうだったの…?」
ってことは、わざわざあたしに会うためだけに男の子の恰好に着替えてくれたってこと…?
「悪いな。ちょっと通してくんね?」
光は完全に男の子の口調で光にまとわりつく女の子たちをよけながら、あたしのもとまでやって来た。
「間に合ってよかったな。紗雪」
「ひ、ひか…。じゃなくて、あ、き、あき…」
「別に無理してアキラなんて呼ぶ必要ねぇよ。今まで通りでいい」
光はいつも可愛いハートや星のピアスをつけているのに、今日は銀色の男物のピアスを光らせていた。