不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
「っていうか何度も何度もろくな用件もなく電話して来ないでって言ったはずだけど」
明らかに不機嫌な言い回しで通話相手に訴えるその人。
あんな風に喋るのか…。
あたしは身動きすることもなく、そのままその人の背中に視線を集中させていた。
「…はぁ。こげ茶色のセミロングね。……あ」
そこまで話すと、急に彼は黙り込んで……。
「……っ」
びっくりするぐらいの速さで、こちらへと振り返った。
あんな俊敏な動き、見たことないよ…!
交り合う目と目。
するとあたしを見定めるように一頻り観察した後、
「………それっぽい人、ここにいるけど」
彼は視線を下げて通話相手に返事した。