不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
学校を出て、どうにか梶先輩に追いついた頃。
「梶先輩っ!どこ行くんですか?」
あたしの前を歩く梶先輩。
背が高くて、脚が長くて、無駄な脂肪の一切ない、引き締まった体つき。
オリエンテーションの時も思ったけど、本当にこの人って、俗に言う“イケメン”だなぁ…。
先輩の逆三角形の背中を見て、ふと、そんなことを思う。
辺りを歩く高校生の女の子やOLさんだって、一度は振り返ってまで先輩を見てるんだもん。
ププーッ!
「わっ」
なんてことを考えながら歩いていると、突然突っ込んできた車にはた迷惑な音量でクラクションを鳴らされた。
それには流石の梶先輩も立ち止まり、あたしへと振り返る。
「………」
先輩は何を言うでもなく、さりげなくあたしの隣の車道側を、歩幅を合わせて歩いてくれた。