不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~



梶先輩は無言のまま、翔陽高校の敷地内へ入って行く。


あたしがそれを小走りで追いかけると、辺りを歩いていた生徒たちがひそひそとあたしたちを見て囁いていた。




それらの声を完全に無視して勝手に来客入口まで向かう梶先輩。



受け付けの事務員さんが彼の顔を見て目を見開く。





「こ、これは、棗様」


「理事長室まで通して」


「お、お待ちください」




……!?


な、何この待遇…!



何だかお偉いさんを前にしたみたいな感じだ。




事務員さんは内線で梶先輩の来校を相手の人に伝えると、すぐにそれを切って「中へどうぞ」ともてなした。




「紗雪。はぐれるなよ」


「は、はい」



さっき聞いていた限りでは、今から翔陽高校の理事長室まで向かうようだけど…。


梶先輩と翔陽高校の理事長さんに一体何の関係が…?



わからないことだらけで頭が混乱してきた。


とりあえず、今は先輩についていくしかなさそう。



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