不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~




そのまま2人の話を黙って聞いていると、梶先輩は懐から薄い封筒を1枚取り出して本田さんに差し出した。




「こちらは…?」


「会長夫妻に。中に詳しい内容は記してあります」


「承知いたしました。早々に会長のもとへ届けさせていただきます」


「お願いします」



お手紙か何かのようだけど…。


気になるけど、軽々しく質問できるような空気でもないし、ここは黙っていた方がよさそうだ。




「お時間とらせてしまい、申し訳ありません。俺たちはこれで」


「いえいえ。またいつでもお越しください」



その後、梶先輩はあたしを連れて翔陽高校の理事長室を去った。


結局、あの書状を渡すためにここに来たってことだろうけど…。




本館を出たあたしたちは、翔陽高校前に停車していた、さっき乗って来た黒の高級車に乗り込んだ。




「先輩…。あの」


「あれは貴城第一音大入学の推薦状だ」


「えっ?貴城第一音大、ですか…?」



ようやく先輩にお尋ねする機会になり、それとなく聞いてみると、先輩は意外にあっさりと端的な物言いで答えを示してくれた。



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