不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
そんな感情を表に出していると、「ほらよ」総也はミニ冷蔵庫から1本の缶ジュースを投げてくれた。
100%オレンジジュース。
「ありがと」
「おう。それやるから機嫌直せって。な?」
「別に怒ってないし」
総也から貰った缶ジュースのプルタブを引くと、中からオレンジの甘い香りが漂ってきた。
一口喉に流し込むと、爽やかなそれは口いっぱいに広がる。
「総也のピアノ、ドア越しにきいてたけど…」
「あー?」
「凄く、上手だったよ」
「ははっ。なーにわかりきったこと言ってんだよ。俺のパーフェクトな演奏が下手なわけねぇよ」
総也はいつものように自信満々に笑って、炭酸ジュースをごくりと飲む。
「あんなに上手なのに、どうしてその道に進む気はないの?」
「……ん」
聞くべきか控えるべきか少し迷ったけど、あたしは意を決して聞いてみた。
彼の、総也の本心が知りたい。