不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
総也は薄く唇を開いて、あたしの目を見つめたり、そらしたり、まるで何かを言うべきか言わないべきかを悩んでるみたいな顔をする。
「………」
そんな総也に、あえて言葉はかけない。
威圧するようなことはしたくなかったから。
「んー、まぁ、そうだよなぁ」
あたしが総也の言葉を待っていると、彼はふと薄く笑って窓の下にある本棚に手を伸ばした。
何をするかと思えば、彼はそこから1冊の少し古くなった小さなアルバムを取り出す。
「それは…?」
尋ねると総也はそのアルバムの最初のページを静かにめくってあたしに見せた。
そこには総也によく似た顔の若い男性と、稟によく似た綺麗な女性。
その下には、小学校低学年ぐらいの男の子が2人、口を大きく開けて笑っている左の子と、少し恥ずかしそうに唇を閉ざす右の男の子が写っていた。
「これってもしかして……」
「俺の父親と母親。下のが俺と稟」
「やっぱり」
4人は艶のあるグランドピアノの前に立ち、ご両親が何かのトロフィーと表彰状を持って写っている。
奥さんのドレスアップした姿はまるでどこかの女優さんのように綺麗だった。