不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
総也の部屋に戻り、ぬるくなってしまったオレンジジュースを一口飲んだ。
総也からはさっきまではしなかった煙草のにおいがわずかに漂ってきてる。
「煙草吸ったの?」
「んー、まぁ」
「身体に悪いって言ってるのに」
あたしがそう言えば、明後日の方向を向いて奴は話を聞き流す。
うちのボスもここの悪ガキも、未成年の喫煙・飲酒は法律違反ってこと、わかってんのかなぁ。
「稟、俺のこと何か言ってた?」
テーブルに残されたアルバムに目を落とす総也。
「総也が指揮者に転向できないのは自分の責任って話を聞いたけど」
「………」
「ジョーダン・ベッフェルって知ってる?」
「…?ジョーダン・ベッフェル?そりゃかの有名なアメリカの小説家だしな。音楽家でもあって、俺の両親とも縁があるから、今は丁度そこの第2子息の生誕祭に出席して…」
待って。もしかして、もしかしてだけど。
あたしは数時間前に梶先輩と本田さんが交わしていた会話を巻き戻して思い出す。