不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~



そうか。


そこまで話をきいたところで俺は感づいた。




確か、律明高校はかの有名な梶グループの支配下にある学校だった気がする。



総也が律明に通えば、必然的に梶側との接点が作れるというわけか。






梶総裁なら貴城第一音大の推薦枠も簡単に手にできそうだ。



それを利用して、総也を貴城第一音大に推薦してもらうつもりか…。






だけど単純な総也がそれに気づいているかいないかは、正直俺にもよくわからなかった。



この顔を見た限りでは、一切気付いてなさそうだけど。






「稟も一緒に連れてくっつったら賛成してたぜ。だから土曜はあけとけよ」



「俺も?」



「おう」




別に父さんや母さんから愛情を感じていないわけではなかった。



だけど2人が音楽家として期待を寄せているのは明らかにその高い才能をもつ総也で、俺は半ば諦められていたと思うし、どういう意図で総也にそう言ったのかはわからない。




上手くいけば兄弟揃って貴城第一音大推薦を、とでも考えているのかな。



たとえ俺に推薦がおりても、俺なんかのレベルで合格できる学校じゃないことぐらい、わかっているだろうに。



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