不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
カーテンが閉まりきっているようで、中は薄暗…いや、普通に暗かった。
「俺、帰っていいのこれ」
「なんだよ稟ー。怖いのか?ん?」
「誰が」
総也の低レベルな挑発にのってしまうとは、我ながら情けない。
そんなことを話しながらも、前を行く総也はずんずんと奥へ進んでいく。
っていうかここ、本当に入ってよかったわけ?
今更、遅いけど。
現に総也の背中は実に愉快そうだ。
こういうの、好きだもんね。俺には理解ができないけど。
本当、総也って子ども。
だから見た目はチャラいのに、不思議と子どもと動物には好かれるのかな。
「……あ、」
ふいに総也の足が静止した。
なんだ?と総也の前方を見やると、俺たちに背中を向けて椅子に座る1人の生徒の姿がある。
誰……?
こっちを向いていないから、顔は一切窺えない。
こんな妙な隠し部屋の奥で、電気も付けずに1人で何してるんだろう。
在校生だろうか。それとも……。
なんて、色々と考えている間に、キィ、とその生徒の座る椅子がかすかに揺れる音がした。