不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~




何となく、心がスッと軽くなった気がした。



この人となら、いつもよりも安心して話せる。そんな感じがした。





「あ、あの、あたし、2年1組に編入してきた、水瀬紗雪、です」



「……あぁ。君が編入生の…」




保高先輩はあたしの名前を聞くと、それとなく納得した様子でうんうんと首を縦に振った。





「知ってるんですか?」



「後輩に、君のことを猛烈に紹介してきた奴がいてね」



「後輩?」



「葛城光。本人いわく、“親友”になったらしいけど…。おそらくアイツの勝手な妄想だろうと思ってる」




えっ……!



再び話題となったその名前に、あたしはまたもまばたきを繰り返す。




保高先輩は、「困った奴でね~」と眉を下げながら笑う。



さっき図書室にいた男子生徒も、葛城さんの名前を出していた。




一体あの子、どれだけ友達の輪が広いんだろう…。



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