不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
「あっ」
教室まで残り20メートルぐらいになったところで、窓からひょこっと顔を出している女子生徒に目がいった。
それはほかでもない、今の今まで話題の中心だったあの子だ。
「紗雪ーっ!!」
不良校といっても廊下で授業をサボっている物好きはおらず、彼女の綺麗な1本の声が響く。
「か、葛城さん…!」
「一応、授業中なんだけどな。わかってるのかなぁ、アイツは…」
隣を歩く保高先輩がため息交じりに呟いた。
いいえ。おそらくわかってないと思います…。
かわりにあたしが心の中で答えておく。
「で、でも、授業に出席してる時点で偉いと思いますよ…?他のクラスはクラスの半数もまともに受けてないようでしたし…」
今まで廊下を歩いてきて、他のクラスの前も通ってきたけど、流石は名高い不良校!
見事に全員出席のクラスはたったの1クラスもなかった。