不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
「それじゃ、クラスはもうわかったよね。俺は戻るけど」
教室の少し前まで来て、保高先輩が立ち止まる。
にこっと微笑んで、「授業、頑張ってね」一言そえると、くるっと体勢を翻し、先輩は帰って行った。
「あ、保高せんぱ……」
「紗雪ー!おっそーい」
あぁ~ぁ…。
ろくにお礼も言えずに、先輩は角を曲がって行ってしまった。
しかも葛城さんに遮られちゃうし。
あたしが帰って行った先輩から目を離し、教室へ戻ろうとすると…。
「わっっ!!」
なっ…!?
なんと、またまた、いつの間にか、あたしの目の前に彼女がいたんだ。
し、瞬間移動…!?
絶対、さっきまで教室の窓から顔を出して……。
当の葛城さんは、「え?なぁに?」あたしが愕然としている意味をまるでわかってない様子。