不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
ガタン。
彼が椅子から立ち上がる。
あたしの前までゆっくりと近付いてきて、スッとその長くて大きな手を差し出した。
もちろんあたしは、いつにない“男”との距離にがちがちに固まってしまって…。
差し出された手のひらに、応えることなどできなかった。
「……水瀬さん?」
その人が不思議そうにあたしを見やる。
何を思ったのか、いや、おそらく動きの止まったあたしを心配して、彼の身体が少しだけ動いた気がした。
あたしはそのかすかな身体の動きが、
あたしへと伸びてくる彼の手のひらが凶器に思えて……。
「どうかし……」