不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
光に名前を呼ばれた、“稟”という人物が姿を現す気配はない。
光の言う通り、本当にこの部屋のどこかに隠れているのだろうか。
「お菓子あげるから素直に出てきなさぁ~い」
………。
お菓子で釣ろうとしても、“稟”さんは出てくる様子なし。
それに痺れを切らした光は「はぁ」と大きくため息をついた後、
「どっかのバカ兄とは似ても似つかない兄弟なのよねぇ……」
なんて、意味深なことを呟いた。
「おいおい。どういう意味だよ、光?」
そこでやけに食いついてきたのは、さっきまでニコニコ悩みの1つもなさそうに笑顔を維持していた霧生だった。
「そのまんまぁー。あんたみたいに単純単細胞なら楽なのにって言ってるのぉ!」
「あ?殴るぞ?」
「レディに対して“殴る”はないんじゃなぁい?」
「お前を女と認めるわけねぇだろ?バカ」
霧生の口調が変わってる…。
こっちが素、ってやつ?