不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
2人が暫くそんな言い合いを続けていると……。
「……うるさいんだけど」
奥の暗闇の中から、ふっと現れた1人の男子生徒。
……あ。
しかしあたしにはその顔に見覚えがあった。
「稟~。まーた隠れてたのね?こんなバカ兄と似られても困るけど、そういう懐かないところはいつまで経っても可愛くないなぁ」
「光に可愛いとか思われたくないし」
「つか人のことさっきから“バカ兄”ばっかり言ってんじゃねぇよ」
大げさなため息をつく光に、今現れた彼と霧生が揃って口を曲げる。
も、もしかしてこの人が……。
あたしは今日も眼鏡はかけていない、奥から現れたその人を見て思った。
さっきから光が、“稟”と立て続けに呼んでいた人物は……
昨日、図書室で出会ったあの人だったんだ…。