不良校サバイバル~イケメンたちとtrouble days~
男はタバコを口から離し、これだけ言って、また白い煙を吐いた。
「……お前、男が嫌いだろ?」
あたしは予想していたほど動揺することもなく、唇を閉ざしたまま、目線だけを床に落とす。
「フッ…。図星か…」
あたしの反応を肯定と見抜いた男は、わずかに口角を上げて、薄く笑う。
「珍しいな。俺たちに尻尾振ってついてくる女は腐るほどいるけど…。お前の場合は逆か。今も本当は、“早く家に帰りたい”その一心なんだろ?」
心の読めない表情で、あたしを見定めるように梶棗は言った。
「その男嫌い、早く解消しとかねぇと、12月に行われる行事で困るのはお前だぞ」
「……12月に行われる行事?」
「詳しくは光から聞けよ」
あたしは梶棗の言っている言葉の意味が理解できずに、後ろの光へと顔を向けた。