心のビトレイアー
出るか、出ないか迷う仕草のアタシの手を掴んで

「今の時間だけ、俺にちょうだい。」

寂しげに見る貴方の瞳に、携帯を閉じた。

「ごめん、でも…」

貴方がアタシを抱きしめた。

「一度は卒業した想いだと思っていたけど、会うとダメみたいだ。」

「えっ?」

貴方が、少しアタシを離して言う。


「好きだよ。あの頃も今も…あの時は、いえなかったかのに今、言えるなんて
酒の力かな?」


はにかむ笑顔がたまらなく愛しくなってしまったアタシは

思わず抱き付いた。

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