私の太陽はキミ

『…空っ！！今どこにいるんだっ！？』



久しぶりにお父さんの声…聞いたな…。




昔は、この低くて、野太いお父さんの声が大好きだった。



「どこでも、いいでしょ…」



『どこでもいいなんて思うわけがないだろ！』



「だから、もうほっといてって言ってるでしょ！？」


ふと、陽翔を見るとこの会話が聞こえていないみたいに


スプーンを動かしてる。



絶対、聞こえてるはずなのにね。



『ほっとけるワケがないだろう？お前はワタシの娘なんだから』



「何が娘だっ！私が学校から帰ってきたら嫌な顔するくせに！」



『そんなことない！ほら、どこにいるんだ？』



「いやだ！私、絶対家になんて帰らないからっ！！」


プツ――


それだけ言うと私は切った。



今更帰ってこいなんて非常識にもほどがある！


あんな最低な家になんて帰りたくない！



「さぁー食べよう」


「おう、食え食え！うまいぞ！」



「ホントだ！美味しい！」



「だろ？やっぱ俺、天才かも～」



「自分で言うな！あははは！」



「あはははは！」



陽翔は、電話のことに関して





何も聞いてこなかった。




それが…陽翔の優しさなんだよね…？



ありがとう、陽翔。