翔子の恋
3
住所を何度も確認して
住宅街をウロウロしていた。
日もすっかり暮れてきて
お腹も空いて辛かった。
「もう…どうしよう……」
あそこに戻るなんて死んでも嫌だし…
「…お兄ちゃん……」
フラフラ歩いていると真っ暗な小さい路地裏に入ってしまった
怖くて不安で泣きたくなった。
これから私はどうなるんだろう?
勢いで出てきたのはいいけど…
私みたいなガキが一人で生きていくなんて不可能だし…
私は一軒の店の前で足を止めた…
"風俗"
私は、ここで生きていくのかな…?
家に居た時と何も変わらないじゃない…
私はそういう運命なのかな?
涙をぐっと堪えて店へ入ろうとした時、
「翔子!?」
懐かしい愛しい、ずっと待っていた声がした。
振り向くと驚いた顔した以前と変わらない
お兄ちゃんがした。