君の左手が気になるのは、なぜだろう?
アイツは、驚いた顔で聞く。

「え?オレが寝てるの
バレそうになって
かばってくれたんじゃ…?」


私はさらにとぼける。
「ええ?私が?
そんなこと言ってるの
あの男子たちは?
信じられない。
勘違いすぎ。
ないから、そんなの」


一瞬、アイツの目が泳いだ
…気がした。

「そ、そうか。
だよなー。
オレも…。
オレも、勘違いしたよ」

“勘違い”
その言葉に、なぜか
ドキッとした。
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